【事例】特殊検知器向け高密度グラファイトパッキンの開発
1. 背景と課題
250℃の壁と、一つの問い合わせ
精密機器メーカーの開発担当者様より、一通のご相談をいただきました。
開発中の特殊検知器において、
「250℃の高温環境下で、確実にシール(密閉)を維持できる素材を探している」という内容でした。
弊社が提案したのは、耐熱性に優れた「グラファイトパッキン」。
しかし、単に素材を提案するだけでは不十分で、機器内部の極めて限られたスペースに適合する、シビアな寸法精度が求められました。
ここから、高温環境に適応するための共同開発がスタートしました。
本事例の解決ポイント
| 検討項目 | 課題・要求仕様 | デジックの解決策 |
|---|---|---|
| 使用温度環境 | 250℃(定常時) | 酸化雰囲気なら450°Cまで耐えるグラファイトを採用 |
| センサへの影響 | 微量成分による出力低下 | 独自の特殊処理により不純物を除去 |
| 加工精度・形状 | 極小径の穴あけ・シビアな寸法公差 | 量産性を考慮した設計変更の技術提案 |
| 供給体制 | 数千台規模の安定供給 | 商社と連携した量産供給体制の構築 |
2. 導入までのプロセス
好感触のスタートと、量産への道筋
最初にお送りした初期サンプルは、常温下での漏れ評価で見事に「良好」の結果を得ました。
担当者様からは最適な圧縮率に関する鋭いご質問が飛び、実用化に向けた具体的な検討が加速します。
「さらに厚みを増したサンプルは作れないか?」
「年間数千台規模の生産に対応できるか?」
次々と寄せられるご要望に対し、弊社は製造限界の厚みに対し「複数枚を重ねて使用する」という代替案を出すなど、開発スピードを落とさないよう並走を続けました。
専門商社様を交えて供給体制も整え、プロジェクトは順風満帆に量産へと向かっているように見えました。
予期せぬ「センサ出力の低下」という難題
しかし、実際の高温環境を想定した最終評価を進めるなかで、
予期せぬトラブルが発生しました。
パッキンを組み込んだ状態でテストを行うと、検知器の「センサ出力が低下する」という現象が確認されたのです。
「パッキンに含まれる微量な成分が、高感度なセンサに悪影響を与えているのではないか?」
疑念を晴らすため、弊社は安全データシート(SDS)などの成分情報を即座に開示し、成型時にバインダーや離型剤を一切使用していないことを証明しました。
しかし調査の結果、素材そのものに微量に含まれる不純物が影響している可能性が浮上。
材料メーカーの製造段階でこれを取り除くことは不可能という、
非常に困難な状況に陥りました。
さらに追い打ちをかけるように、
機器の設計変更に伴う「極小径の穴あけ加工」が要求されます。
社内で検討を重ねましたが、金型成型においてそのサイズは物理的に不可能という厳しい回答をせざるを得ませんでした。
3. 検証結果
独自の特殊処理で導き出した最適解
品質と製造限界の両面で壁にぶつかりました。
しかしセンサへの影響という最大の課題に対し、弊社が導き出した答えは「デジック独自の特殊処理」を製造工程に組み込むことでした。
パッキンに対してこの独自処理を施すことで、センサに悪影響を及ぼす不純物を限りなく除去することに成功。これにより、出力低下のトラブルを完全に見直すことができました。
また、加工が困難な極小径の穴については、機器の機能性を維持しつつ、弊社でも安定して量産できる「代替の穴径仕様」へと設計変更をご提案し、ご納得いただくことができました。
これらの提案が功を奏し、ついに250℃という過酷な高温評価を完全にパス。
その後、お客様側の開発スケジュールの変更などはありましたが、最終的には量産を見据えた数千個単位での再見積り依頼をいただくまでに至りました。
4. 今後の展望
今回の事例では原因不明のトラブルに直面しながらも、情報の透明性を保ち、独自の加工技術と代替提案によって不可能を可能に変えたことをご紹介しました。
このプロジェクトは、単なる部品供給を超えた、技術パートナーとしての弊社の伴走力です。
Oリング代替のご提案
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