【事例】既存金型のフッ素系Oリングを金型加工なしで「グラファイトパッキン」へ転換。

1. 背景と課題

「量産中の金型でも、耐熱・耐久性を向上させたい」

複合材料・成形加工分野のお客様より、展示会での弊社ブースへのご来訪をきっかけにご相談をいただきました。

お客様は、現在量産稼働している金型において、冷却/温調ラインのシール材として「フッ素系Oリング」を使用されていました。

しかし、過酷な温度条件(350°C)や耐久性を見据え、「金型側の溝加工や設計変更を行うことなく」、耐熱性に優れたグラファイトパッキンへ切り替えられないかというご要望でした。

2. 導入までのプロセス

既存のOリング溝にフィットする「専用サイズ」の模索 グラファイト(膨張黒鉛)はゴム製のOリングとは異なり、柔軟性はあるものの「弾性」の挙動が異なります。
そのため、単にOリングと同じ寸法のものを用意するだけでは、装着時に破損したり、適切なシール圧が得られない課題がありました。

初期トライアル

当初、Oリング寸法に基づいた試作品をご提供しましたが、金型への挿入(圧入)がきつく、スムーズに装着できない事象が発生しました。

現場での現物確認

不具合の原因を特定するため、弊社担当者がお客様の工場へ直接訪問。実際の金型の穴径や公差、作業環境を確認させていただきました。

仕様の最適化

現地確認に基づき、外径・内径および厚みのバランスを再設計。
特に「つぶし代(圧縮量)」については、
金型の溝深さ(1.8mm)に対してパッキン厚みを調整(約2.0mm〜2.25mm)し、漏れを防ぎつつ確実に装着できる仕様を導き出しました。

3. 検証結果

950ショットの成形テストをクリア、次期金型への採用へ 改良したグラファイトパッキンを用いて、実際の成形機で約950ショットの連続加工テストを実施いただきました。

ヒーター熱源に近い箇所など、熱膨張の影響を受けやすい過酷な環境下でしたが、あふれ出るような漏れはなく、検証は成功。
お客様からは「上々の検証結果が得られた」との評価をいただきました。

4. 今後の展望

今回の検証を通じ、既存のOリング溝形状であっても、
パッキンの密度や寸法を適切に設計することでグラファイトパッキンへの代替が可能であることが実証されました。
この結果を受け、お客様には「次回製作する新規金型では、設計段階から積極的にグラファイトパッキンを採用したい」との意向をいただいており、
現在は短納期(実働3日程度)での安定供給体制を構築しております。

グラファイトパッキンに関することなら、お気軽にお問合せください。

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